家事従事型の寄与分

 家事従事型の寄与とは、相続人が、家業(農業、漁業、製造業、その他)に従事したことにより、被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした場合のことをいいます。
 以下、家事従事型の寄与分についてのご説明です。

 家事従事型の寄与といえる条件とは?

  家事従事型の寄与といえるかを検討するにあたっては、次のことを確認する必要があります。

  • 特別の貢献をしたと言えるか。特別の貢献の内容は?
  • 無償か?給与が支払われていたとしても、労務に見合う給与か?生活費の負担はどうなっていたか?
  • 継続性の有無
  • 専従であったか
  • 被相続人の財産が維持又は増加したか

 家事従事型の寄与の主張のポイント

  • 家業を手伝うようになった経緯
  • 手伝った時期、時間、頻度、内容
  • 同居の有無、同居していた場合には生活費は誰が負担していたのか

 家事従事型の寄与の証拠

 家事従事型の寄与を主張するために、揃える証拠としては次のようなものがあります。

  • 被相続人の確定申告書
  • 会社の場合には税務申告書、会計帳簿
  • 寄与主張者の確定申告書、給与明細書、給与振り込み口座

 家事従事型の寄与分の算定方式

 家事従事型の寄与が認められる場合に、次のような方式により寄与分を算定します。

  • 寄与相続人が通常得られたであろう給与額×(1-生活費控除割合)×寄与期間 ×裁量的割合
  • 相続財産の総額×寄与相続人が相続財産の形成に貢献した割合×裁量的割合