休業損害

 休業損害とは

  傷害の治療のために、休業を余儀なくされて、その間収入を得ることができなかったことによる損害のことをいいます。

 休業損害の計算方法

 基本的には次の計算式により算定されます。

 休業損害=1日の基礎収入×休業日数

 基礎収入の算定方法

給与所得者の場合

 事故直前の3ヶ月分の給与明細や源泉徴収票等により算定します。
 休業期間中に有給休暇を使用した場合にも求められます。

会社役員の役員報酬の場合

 労働の対価部分は基礎収入として認められますが、利益配当部分は原則として認められません。

事業所得者の場合

 基本的には前年度の確定申告書により算定しますが、業績に変動がある場合は、数年間の実績を平均して算定することもあります。
 経費は、休業により支出を免れた変動経費(原材料等)は収入から控除しますが、事業の維持・存続のために支出が必要であった固定費(家賃、従業員の給与等)は、相当な範囲で損害と認められます。

主婦等家事従事者の場合

 主婦も受傷により家事ができなかった期間について休業損害が認めらます。
 専業主婦の場合は、賃金センサスの女子労働者の全年齢平均賃金または年齢別平均賃金によって計算します。
 有職主婦の場合は、現実の収入額が賃金センサスの女子労働者平均賃金より低いときは平均賃金を基礎収入とし、現実の収入額が平均賃金より高いときは現実の収入額を基礎収入として計算します。

無職者

 失業者には原則として休業損害は認められません。
 しかし、就職が内定している場合や就職の可能性があれば休業損害が認められます。
 労働の対価としての収入を得ていない無職者(家賃収入で生活している人、年金生活者、生活保護受給者、幼児、学生等)は、休業損害は認められません。