親の責任が生じる場合とは
未成年者が交通事故を起こした場合、親に責任が生じる場合があります。以下、どのような場合に親の責任が生じるかについての説明です。
民法では、次のように定めています。
「未成年者は、他人に損害を加えた場合において、事故の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為につて賠償の責任を負わない。」（民法第７１２条）
「前２条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときはこの限りでない。」（民法第７１４条）
これらの条文から、責任能力のある子供は、子供自身が責任を負うことになります。
また、この責任能力を有する年齢は１２歳から１３歳位とされています。従って、この年齢以下のときは、子供本人は責任を負わず、親が責任を負うことになり、それ以上のときは、原則として子供本人が責任を負い、例外的に親が責任を負います。
＜例外的に親が責任を負う場合＞
次の要件が必要とされています。
①監督義務者が相当の監督をすれば加害行為の発生が防止され得た
②その監督を現実になし得た
③監督をせずに放置しておけば当該加害行為が発生することの蓋然性が一般的にも強い場合であった
その他、親が自賠法３条による運行供用者責任を負担する場合もあります。
子供が低年齢でも、他人にけがをさせてしまうことはあります。例えば、自転車に乗っていて歩行者にけがをさせたとか、輪ゴムを飛ばして他の子供の目にあててしまい、視力を低下させたなど。このようなときのために、できるだけ賠償責任保険に入っておいた方がよいでしょう。
